小田原・箱根・真鶴・湯河原に在住・在勤の20〜40才までの方ならどなたでも入会できます。
 
 
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青年会議所とは? 理事長所信 役 員 組織図
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理事長所信
 

第56代理事長 佐藤 友彦
「はじめに」
 野球少年であった私の夢は、チームの仲間と一緒に甲子園の土を踏む事でした。
時は流れ、夢を追いかける仲間こそ変わりはしましたが、私の夢は一向に変わる事はありませんでした。想いが本気であるからこそ、互いに切磋琢磨し一切の妥協無く、白球を追い続けた日々の中で志が芽生え、強い繋がりが醸成されました。成人となり、幾つかの地元の団体で活動し少しまちづくりに興味を抱き始めた私に、一人の先輩が青年会議所という団体の存在を教えてくれました。入会希望者として、様々な事業に参加するうちに自然とJCに行く事が楽しくなり、胸がわくわくし、心が躍るような毎日を迎えました。それはきっと少年の頃に見た夢が再び見られる。数多くの仲間や感動を得られるという期待の始まりだったのでしょう。
 青年会議所は「明るい豊かな社会」の実現という崇高な理念を掲げ、そこに相集った指導者たらんとする青年の団体です。「明るい豊かな社会」とは何か。その答えは様々であり、人の個性からそれぞれ数多くの答えがあるべきだと私は考えます。しかしながらこのまちに生を受け、このまちの愛情によって育まれ、このまちで今を生き、生かされている。そのような、このまちから受けた恩恵は皆一緒なのではないでしょうか。そしてこのまちが少しでも良くなって欲しいと願う心や、このまちの為に何か自分にも出来る事があるのではないかと感じる気持ちもまた同じなのではないでしょうか。
 自分一人で出来る事には限りがあります。しかし一人ひとりの志が集まった時には大きなエネルギーが生まれ、やがて一つの運動となり必ずやまちの姿が変わります。地域の未来を担う責任世代の私たちが「志」という手を互いに取り合い「明るい豊かな社会」の実現に向けて共に歩みを進めて参りましょう。行く道はきっと険しく、幾多の困難がその道を閉ざす事もあるでしょう。それでも授かった英知と秘める勇気と溢れる情熱を持って未来という名の道を切り拓き、前に進んで行く事こそが私たちJAYCEE の使命なのです。「明るい豊かな社会」の実現、そして地域ビジョン「世界を感動させる観光文化都市をめざして」一人ひとりが己の志を更に大きく広げ、情熱を持って共に行動して参りましょう。
 一度限りの人生だからこそ、今を感謝し大切にしましょう・・・。
 一度限りの人生だからこそ、今、大きな夢を描き感動を分かち合いましょう・・・。
 一度限りの人生だからこそ、今、逃げず、諦めず、前を向きましょう・・・。

「創立55周年を迎える今」
 1958年5月16日、戦後の焼け野原から這い上がり、この国が高度経済成長を遂げる頃、30余名の先輩の大きな志により全国で139番目の青年会議所として小田原青年会議所は産声を上げました。「明るい豊かな社会」の実現を大儀とし、愛する地域の未来を切り開く使命は創始より今日まで56年という時を経ても何ら変わる事はありませんでした。現在、私たちが行政をはじめ関係諸団体の協力を得て、様々な事業を開催出来るのも先輩方が長年に渡り時代の変化に即した事業を展開した結果により得られた信用あってのものに違いありません。今、私たちは活動できる喜びを噛み締め、小田原青年会議所の礎を築き上げ、受け継いでこられた先輩方にこころから感謝をしなければならないのです。
そして、言葉だけの感謝ではなく、先輩方の情熱の下、得た信用を決して失う事が無い様に守り続け、行政をはじめ市民や諸団体から更に大きな信用を得る事が必要なのです。そして、次なる創立60周年に向けて、運動の根幹である地域ビジョン「世界を感動させる観光文化都市をめざして」、地域ビジョンを達成する為の通過点である中期ビジョン「徳あるひと」あふれる「西さがみ」の実現、具体的な行動指針としたマスタープランチャートを全ての会員に浸透させ検証した上で、連綿と受け継がれた伝統を誇りに、歴史の節目と節目をつなぐべく過去を振り返りながらも未来を見つめ直し、決して変えてはならないもの、変えなければならないものを的確に判断し先輩方とのつながりを更に深め、時代に即した組織へと進化させて参ります。

「新たなる組織としての第一歩」
 小田原青年会議所は公益社団法人として新たなる第一歩を踏み出しました。
公益社団法人とは、一言でいうならば公に有益な活動をする団体であり会員の資質向上を図り地域に貢献し、更には地域社会に留まらずこの国の産業や経済、社会や文化の健全なる発展を図り、明るい豊かな社会の構築と世界の繁栄と平和に寄与するものです。
 公益社団法人格を有する団体として常に公益という二文字を意識し、現状にも増して我々(JAYCEE)が、我々の団体(JC)がこのまちに必要とされなければなりません。その為には、常に直接的効果と波及的効果を明確に捉え大胆かつ繊細に事業と活動を展開していく必要があり、地域市民や行政から更に強い信用が得られ、メンバーを送り出す企業からもより大きな期待を課せられるように常に組織としての進化を図る必要があるのではないでしょうか。また、近年の会員拡大の成果にて、多くの仲間が誕生し入会年数の浅いメンバーが多くの割合を占める本年度は、5年後、10年後の強固なる組織基盤を築く為にひとづくりにはより一層の力を入れ、青年会議所設立の目的に記された会員の資質向上を目指す新たな一歩を踏み出します。

「自分づくりからまちづくりへ」
 私が青年会議所に入会させて頂いてからの10年を振り返ると、各地で展開される青年会議所運動はまさに公益性を念頭におき発信力の強い政策的な事業を発信してきたと考えます。小田原青年会議所においても2005年度の初立候補から6年という歳月と大きな労力を全国会員大会の主管に注力してきました。その結果、費やした時間と労力の効果は絶大なるもので有り、それは開催年度以降に展開する事業のスケールメリットや、関わったメンバーの成長という点を中心に形として明確に表れています。
 一方で、(公社)日本青年会議所が2000年に会員研修を終了したのを皮切りに研修の位置づけが下がり、出向を通じて充実した研修を受ける機会が減少しLOM としてもひとづくりに十分な力を注げなかった事も事実であります。我々が地域市民や行政から強い信用を得る為には、また会員を送り出す企業からの期待に応える為には、私たちメンバーが大きな自己成長を遂げる事以外ないのではないでしょうか。その事はメンバーからの大きなニーズでもあり、メンバーがJC に対し必要性を強く感じている事だと考えます。
 本当に私たちが青年経済人を自負し地域の未来を切り拓こうとするならば青年会議所活動を行う前に、まずは社会の一員として豊富な知識と高く確かな見識を養い、それらを支える胆識を併せ持つ一人の人間である必要があるのではないでしょうか。そして、私たち一人ひとりが自分を知り、自分を理解して自分を磨く事こそが、何事にも説得力のある人となり、自然と誰からも認められる人となるはずです。私たち自身が説得力のある人となれた時、私たちの考えるべき行うべき事業が共感を呼び賛同を得られ、大きなうねりとなり運動を強く前進させる力の源になるのです。

「手と手を携え誇りあるまちへ」
 記憶を辿るとこのまちの姿は時代の変化とともに大きく変わってきました。この先も10年、20年、50年とこのまちは過去から現在に至ったように時の流れに沿って変わっていくのでしょう。先人達が創り、磨き、発展させてきたこの小田原、箱根、真鶴、湯河原のまちを、未来へとつなぐ責任世代として更に魅力が溢れ誇りの持てるまちへと昇華させなければなりません。その為には、今一度自分たちがまちの生い立ちを知り、まちを愛する事が必要なのではないでしょうか。そして、心から素敵なまちだと感じることが出来たなら、自信を持ってその魅力を伝えていく事が出来るはずです。
 2010年度の(公社)日本青年会議所全国会員大会開催の主管にあたり、行政をはじめ関係諸団体と強くて太いつながりを築く事が出来ました。まちの発展を願う心とより素敵なまちを創ろうとする気概がつながり、各諸団体の特色ある事業を集約し相乗効果を見出して開催された小田原オータムフェスタも本年で3回目を迎えます。私たちが手掛けている小田原ソウルフードフェスティバルは、潜在するこのまちの宝ものを発掘し磨き上げ、世界に発信する事でこの地域に住む方々が自らのまちの素晴らしさを再認識して、自らのまちに誇りを持ってほしい。そのような想いを込めて開催させて頂いております。また、他の地域の方々にも、このまちの魅力を存分に感じてもらい、再び訪れてもらえるように、過去の検証を十分に行い、継続事業としての明確なるビジョンを掲げ、より地域性を活かした事業へと昇華させて参ります。

「手と手を携え更なる広がりを」
 私たちの地域は、歴史、文化、自然、天然資源など無限の可能性を秘めた地域であります。年間2,000万人もの人々が観光としてこの地域を訪れ、国外からも500万人もの観光客が訪れます。観光客数から判断しても日本を代表する観光エリアである事は間違いありません。その可能性を最大限に活かす為に、存在する地域資源を有効的に活用し新たなる地域ブランドとして創出し確立していく事で国内はもとより海外へと広く発信していけるはずです。現在、推進している箱根山を囲む観光エリアの創造事業やフットサルのまちを目指した取り組みにおいては、手を携える県内外の6つの青年会議所や私たちの活動エリアである1市3町の様々な諸団体とのつながりをより深め、強固なる連携体制を構築して参ります。また、代表的な地域資源である小田原城を有効的に活用し多くの市民を巻
き込んで開催する市民参画型事業を展開して参ります。

「誇りある地域をみんなで伝えよう」
 アラブ世界で一昨年より現在まで拡大した反政府デモ「アラブの春」この発端は言うまでも無く、SNS「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」によるものです。今やインターネットにより構築された情報網によって、長期間に渡り維持・運営されてきた国家を崩壊させ新たなる国家までを生む、凄まじい情報化社会となりました。まさに「人と人との繋がり」、「人と社会との繋がり」を深める事の出来る、現代社会にとって必要不可欠な広報ツールではないでしょうか。そして、私たちの運動の推進といった観点から見ても、活用方法によって大きく左右する事は間違いないでしょう。既存の広報媒体と有機的に結びつけ、私たちの運動や事業の発信に留まらず、この地域の魅力を情報とし広く発信する事で交流人口の増加へと繋がり、活力ある自らの地域に愛情を持ち誇りとする地域市民の拡大を目指した広報戦略を進めて参ります。

「夢を描く仲間を増やしましょう」
 ふと、自分が青年会議所に入会していなかったら、毎日をどのように生きているのか考える時があります。きっと会社と家庭を往復し刺激のない平凡な毎日だったのではないかと・・・。私は青年会議所に入会をさせて頂き、その活動を通じてかけがえのない経験や素晴らしい思い出、そして一生涯の友となる人との出会いなど多くの魅力を感じて参りました。今、私は私を育てて頂いた素晴らしい青年会議所に一人でも多くの仲間を増やしたいと、心からそう思います。拡大とは組織の魅力と、そこに集うメンバーの信頼がなくては成り立ちません。青年会議所の大いなる魅力を私たち一人ひとりがより深く追求し、自分事として捉え、行動を起こす時、会員拡大は運動となり、そして人のこころを大きく動かして行く原動力となるでしょう。

「子ども達がこれからの時代を生き抜いていくために」
 現代の子ども達の置かれている状況をみると、携帯電話やインターネットが普及し、様々なツールを活用することから、コミュニケーション活用能力は高まっているといえます。
しかし、直接、顔と顔を合わせたコミュニケーションの機会が激減し、子ども達が生きていく上で本当に必要なコミュニケーション能力は十分に養われてはいないのではないでしょうか。また、核家族化が進む中、テレビゲーム等の普及により、家庭の中での家族間のコミュニケーションを図る機会も減ってきているのです。また、欲しいものがすぐに手に入る物資的に豊かな時代を生きている、子ども達の心は豊かになったといえるのでしょうか。欲しいものがすぐに手に入るということは、物のありがたさを感じ難い状況下に置かれており、この先、子ども達が、変化の激しい時代を生き抜いていく為には、何が正しく、何が間違っているかを判断する、価値基準をしっかりと持った強い個人であることが必要であります。そして、強い個人を支える価値基準は、何かの目標に向かって仲間と協力し、助け合い、ぶつかり合う中で醸成されていくものではないでしょうか。
 青年会議所が子ども達に対して何を伝えるべきかと考えたとき、それは、学校からも家庭からも得ることが難しい、刺激的な環境で徳のこころを育む、学びの場を提供することであると考えます。学びの場が、子ども達のコミュニケーション能力が高まるきっかけとなり、日常生活では感じ難い物のありがたさや家族への感謝を感じる事の出来る機会を提供できたならば、人としての成長につながり、ひいては強い個人へと近づくことができるはずです。

「まちの宝ものである子ども達を地域で育もう」
 連日のようにメディアで流れるニュースでは、子どもが自らの人生を絶ち、愛すべき子を親が殺め、敬うべき親を子が殺めるといった目を覆いたくなり耳をも塞ぎたくなる様な倫理や道徳とかけ離れた悲惨な出来事が多いと感じるのは私だけではないはずです。何が正義で何が悪なのか、ごく普通の事さえも判断できない時代に何故、なってしまったのだろうか。「教育は国家百年の計」の礎と言われますが、まさに、今後の日本と地域を担うのは言うまでも無く、子ども達なのです。健全なる子ども達を育むには聖職者である教員、基盤となる学校や教育委員会と保護者である親が互いの責任を自覚し決して放棄せず取り組む事が最も重要であります。しかしながら、現代社会に点在する諸問題から「学校教育」、「家庭教育」には互いに限りがあるのも事実です。そして各々を補完する意味でも地域で実践する教育を充実させていく必要があるのではないでしょうか。なかでも子ども達が就学する以前の「家庭教育」即ち親として自らの責任で子どもの未来をどう考えるのか、どう向き合うのか、これが全てだと言っても過言ではないと私は思います。人は子を持った時に自然と親となります。人はその時に親としての能力を持ち合せているのでしょうか。子を持つ全ての親が「親としての力」を身につけ、我子だけでなく地域の子ども達に真剣に向き合ったならば子ども達の未来は明るいものに間違いなくなると確信します。

「むすびに」
 私にとって青年会議所がすべてではありませんが、青年会議所との出会いがなければ今とは全く違った自分であったのではないかと思います。小田原青年会議所に入会させて頂いてからの10年間、多くの気付きや学び、かけがえの無い出会いと感動を頂き今、小田原青年会議所は私の誇りであります。今日まで小田原青年会議所の精神として受け継がれた襷を受け取るものとして、歴史と伝統を重んじ、全身全霊をかけて理事長職を全うする事をお誓い申し上げ、2013年度の理事長としての所信とさせて頂きます。