社団法人 小田原青年会議所

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青年会議所とは? 理事長所信 役 員 組織図
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理事長所信

第五十五代理事長  古川 大司

【はじめに】

 このまちに生まれ育った自分にとって、正直小さな頃はあまり郷土愛などなく、どちらかというと地元を離れた場所での暮らしに憧れを抱いておりました。ちょうど高校を卒業し東京の大学に入ったのを機に、以来8年間ほど地元を離れ暮らす毎日の中、離れて暮らせば暮らすほど、また、地元に帰る度に、生まれ育ったこのまちに対する愛着と喜びを感じるようになりました。都心からのアクセスに優れていながらも喧騒は無く、風光明媚な自然が今なお多く残るこのまち。海や山や温泉などの豊富な自然資源の恩恵を受け、人々の心は温かく、子供たちにも住みやすい環境が整い、今では、日本でも有数の素晴らしいまちなのだと確信するようになりました。このまちに対する愛着や喜びがいつしか自分の誇りとなり、今では胸を張って『私は小田原生まれの人間です』と、誰に対してでも言っております。【Made in小田原】であることが私の誇りなのです。

 私には他にも大切な 【Made in 〜】の誇りがあります。それは、当り前の事ですが、自分の親から生まれたと言う事です。自分にとって両親は今でも良き見本であり、大切な存在です。また、今の暮らしの基盤を築いてくださったご先祖様に対して、常日頃感謝の念を抱いております。この家に生まれ育った事に、いつも感謝しつつ、心から誇りにも思っているのです。そして、この誇りは自分の息子達にも引き継いでいって欲しいと思っておりますし、後世にも代々引き継いでいって欲しいと思っております。

 皆さんは生まれた国やまち、自分のご先祖様や親に対して、また自分を育ててくれた学校や職場に対して、心から誇りに思っていますでしょうか?私は大人になってからは常に、この【Made in 〜】の誇りを胸に生きております。もちろんこの青年会議所も自分を育ててくれた【Made in 〜】の誇りです。かつて、【Made in Japan】の製品と言えば、世界に誇るブランド力を持ち、日本製と言うだけで信用が得られておりました。そして、その製品自体が私たち日本人の誇りでもありました。それは、ただ単に品質の良さだけでなく、日本人のものづくりに対する姿勢なども評価されていたからではないのでしょうか?昨年起こった東日本大震災に際しても、決してくじけない被災者はもちろんの事、国民すべてが同じ痛みを感じ取り、共に困難に立ち向かう美しい姿に、誰もが日本人である事に誇りを感じたはずです。【Made in Japan】は今でも変わらず私たちの誇りなのです。私は、このまちに住む全ての人が、それぞれの「Made in 〜」の誇りを胸に生活していけば、必ずや幸せな日々が訪れると信じています。このまちに生まれて本当に良かった、この家に生まれて本当に良かったと、誰もが心から思える地域を目指し、運動して参ります。

【自分たちのまちを誇りに】

 〜「このまちに生まれて本当に良かった」と子どもたちが心から思えるまちづくり〜
これは2006年度に私が小田原青年会議所で初めて委員長を拝命した時に掲げた委員会テーマでした。このまちに住む人々が、心の底から自分のまちを愛さない限りは、継続的なまちの発展などありません。皆さんは今現在自分のまちにどこまで誇りを持っていますでしょうか?家族や友人に、胸を張ってこのまちの素晴らしさを、自分の言葉で言う事が出来ますでしょうか?それは実は簡単なようで簡単ではありません。誇りを持つためにはまず自分のまちの事を誰よりもよく知らないといけないからです。自分の住むまちのどこが優れていてどこに問題があるのか。悪い点だけなら誰でも簡単に出てきますが、良い点だけをどれだけ多く言えるのかが重要なのです。私は幸い地元を離れる事によって、このまちの良さを感じ取ることが出来ましたが、地元にいてもこのまちの良さを感じ取れるような事業を、継続的に展開していく必要があります。

「市民の積極的な政治参画から誇りあるまちへ」

 市民誰もが誇れるまちを目指し、本年も市民の積極的政治参画を推進して参ります。自分たちのまちは自分たちでつくる!市民が政治を他人事にせず、今まで以上に関心を持っていただける事業を展開していくのです。市民の政治参画は決して難しい事ではありません。政治参画への身近な第一歩、それは選挙です。今年はこの地域で首長選挙もございます。政治をより身近なものと感じていただけるように、公開討論会などを実施し、選挙を通じ自分たちのまちの未来を真剣に考え、自分の一票で政治を変え、まちを変えるという意識を醸成していくのです。自分たちがこのまちをつくっているという意識が醸成されれば、地域を愛する気持ちが、やがて地域への誇りへと変わっていくのです。

「同じ志の市民による積極的な事業参画から誇りあるまちへ」

 2010年に開催させていただいた日本青年会議所の全国会員大会開催に際し、多くの青年諸団体や行政の方々との強い繋がりを持つ事が出来ました。立場や所属する団体こそ違いますが、まちを思う心は皆同じなのです。全国会員大会は終わりましたが、何かをきっかけとし、今一度全てがひとつとなって、日本全国に誇れる事業を展開し、このまちの魅力を発信していけば、日本でも有数の誰もが誇れるまちとなるはずです。
昨年よりスタートした「オダワラ オータムフェスタ」では多くの方々と共に、地域の魅力を広く発信する事が出来ました。本年も継続して開催して参りますが、ただの継続事業として終わらせず、より発展した事業として展開して参ります。まちの歴史や文化を調査・研究し、食だけに限らず、まだ眠る様々な地域の「たから」の原石を掘り起こし、磨き上げ、その地域の「たから」を地域の「誇り」として、多くの市民と共に広く発信していく事業にして参ります。

「広域連携から誇りあるまちへ」

 昨年度より、箱根に隣接した広域観光圏に対する新たな取り組みが始まりました。全国各地には、観光資源やブランド力が乏しいまちが多くある中で、誰もが知っている箱根を有する地域として、箱根というブランドをうまく活用しない手は無いのです。その中で、箱根を一つの起点とし、行政区を超え、多くの団体とも広域連携を図り、新たな事業を展開するべく、まずは小田原青年会議所が中心となって協議会を立ち上げて参ります。この地域だけでも多く溢れるまちの魅力と、隣接する地域の素晴らしい魅力とを線で結ぶ事によりお互いの相乗効果を生み、その線をさらに伸ばし面に変える事でその魅力は無限大にもなっていくのです。このような新しい観光モデルを広く発信出来るのは全国広しといえどもこの地域しかないと思っております。自分たちのまちにしかない魅力を最大限に発信しながらも、足りない点は隣接する地域に補っていただくような、広域圏での新たな観光モデル構築し、日本中どこにもない地域となり、誇りあるまちへと進化するのです。

【家族を誇り、家族の誇りに】

「自分の家族を誇りに」

 自分の家族やご先祖様を大切に思う心は自分にとって当たり前のことですが、今ではそれも世間では当り前ではなくなってきました。親が子を、子が親を殺すような事件を頻繁にニュースで聞く今の世の中。親と子の繋がりは薄れ、かつて世界中から賞賛された日本人の美しい精神性は今や忘れ去られてしまいました。しかし、失われたのではなく、忘れ去られただけなら思い出せば良いのです。親と子の絆を強くする事業を通じて、一番身近な家族というコミュニティーの大切さをしっかりと伝えていきます。その中で、誰もが自分の家族に対して誇りを持ってもらうのです。

「自分自身が家族の誇りに」

 この親のもとに、この家に生まれて本当に良かったと心から思える事が今何よりも大切です。子どもたちはもちろんの事ですが、まずは自分達親世代がもう一度この事を真剣に考えていく必要があります。そしてこの事は、事業としての展開だけに捉われずに、メンバー一人ひとりが普段の生活の中、その背中で子供たちに見せていく事が大切なのです。働く事の尊さ、親としての自覚と覚悟、子供に恥じない生き方を実践してこそ自分自身が家族の誇りとなります。その誇りは必ず子どもや次世代へと繋がっていき、強い絆で繋がれた幸せな家族として、いつまでも繁栄していく事でしょう。

【JCメンバーである誇り】

 小田原青年会議所のメンバーは活動地域に居住、もしくは勤務する20歳から40歳までのメンバーで構成されております。これらの資格を有すれば国籍や性別を問わず入会する事が出来ます。奉仕・修練・友情の三信条のもと、明るい豊かな地域の実現に向かい日々活動している団体なのです。活動資金は全てメンバーの会費のみで構成されており、本業の傍ら自らの手弁当で明るく元気なまちづくりのために日々活動しています。昨今の経済状況を鑑みるとJC活動を当たり前に続けていく事は、もはや一昔と比べ容易ではありません。しかし本来青年会議所活動は、戦後の復興期に「新日本の再建は我々青年の仕事である」という趣旨のもと設立されました。苦しい時代からだこそ明るい未来を夢見て、先輩諸兄が一生懸命このまちのために活動して参りました。昨年起こった東日本大震災に端を発し、今新たな国難を迎えた時期だからこそ「がんばろう NIPPON」のスローガンのもとこの青年会議所活動をする意義が我々世代にあると思いますし、苦しい時代だからこそ歯を食いしばって仕事もまちづくりも両立していく事にこそ、この団体の真の価値があると思います。新たな法人格移行やこれからの組織の在り方について見直しも必要となってきますし、運動に対する多くの賛同者を得るために会員増強は重要となってきます。しかし、まずは、メンバー全員がこの団体に対する誇りを胸に日々実直に活動していく事を最重要課題とします。その為にはいちばん身近な家族や会社が最大の理解者にならなければいけません。そして、メンバー自らの存在自体が地域の誇りとならなければなりません。まちのためを思えば多くの事業展開をしていく事がより良い事なのでしょうが、現状をしっかりと見極めて、それぞれの事業をもう一度精査して優先順位をつくり、誰もが誇らしげに語れる事業をしていく事でこの団体に対する誇りを醸成して参ります。もちろんその中で、みんなが明るく楽しく元気に活動していくことも大事です。自分たちが楽しんで活動していないのに、多くの市民を巻き込んで明るく豊かな社会は創れません。公益性の高い事業だけでなく、メンバー間の相互交流や国際交流、会員研修等で友情を今よりもさらに深め、メンバーの笑顔あふれる組織運営も大切に行って参ります。また、日本JCや関東地区協議会、神奈川ブロック協議会にも引き続き出向者を輩出していき、このまちの素晴らしさを発信していくだけでなく、JCでしか味わう事の出来ない素晴らしき友情を育くむことによって、この団体にいる喜びを感じていただきます。

【結びに】

 全ては社会の一員である。私はこの事を常に意識して日々生活しております。今年度小田原青年会議所の理事長を拝命するに当たり、もちろんその役職の誇りを胸に1年間活動して参りますが、この役職も1年間お預かりしている役職にすぎません。家に帰ればどこにでもあるまちの一事業者でしかありません。このまま現状に満足し限られたコミュニティーの中だけで終わる人間となるのか?理事長を拝命した人間だからこそ、理事長としてではなく、一人の社会の一員として、自分自身が一体何者で、常に社会の中での自分の立ち位置はどこなのかを意識して活動して参ります。入会当時からこの団体でしか、限られたコミュニティーだけでしか通用しない人間であってはならないと思っておりました。この団体だけでなく社会からも必要とされる人間になってこそ意味があるのだと感じております。そして常に社会で通用する人間を輩出し続ける事こそこの団体の本来の姿なのだという思いは、こうして組織の長となった今、より一層強くなってきております。その意味では現役中だけでなく、卒業後も様々な団体や地域の政財界のリーダーになりうる人材を育てていきたいと思っております。もちろんまず私自身が足元をしっかりと固め、10年先をしっかりと見据えながら、このまちの誇りとなるべく一生懸命活動させていただく事をお約束させていただき、2012年度の理事長所信とさせていただきます。1年間どうぞよろしくお願いいたします。